
日本の政治の中枢・永田町。重厚な国会議事堂の真正面に、都会の喧騒を忘れさせてくれる豊かな緑と水辺のオアシス「国会前庭(こっかいぜんてい)」が広がっているのをご存知でしょうか?
国会前庭は、敷地の中央を通る道路(国会前交差点)を挟んで、北側と南側の2つのエリアに分かれています。北側は美しい芝生や噴水が広がる「北庭(洋式庭園)」、南側は趣深い池泉回遊式の「南庭(和風庭園)」となっており、歩いてすぐの距離で全く異なる2つの庭園美を堪能できるのが最大の魅力です。
本記事では、三権分立を象徴する有名な時計塔から、四季折々の草花が彩る庭園風景、歴史的な史跡まで、国会前庭の多彩な見どころを写真とともに詳しくご紹介します。入園無料で誰でも自由に散策できるため、周辺の建築巡りやランチタイムの休憩にも最適なスポットです。最寄り駅からの詳細なアクセス情報と併せてご覧ください。
国会前庭の概要と歴史
国会前庭は国有地であり、衆議院が管理しています。北庭と南庭に分かれており北庭は洋風庭園、南庭は日本庭園となっている。
その敷地(面積約5万平米)は、桜やハナミズキをはじめとする1,500本以上の樹木や草花に覆われさまざまな自然を楽しむことが出来ます。
北庭は江戸時代の初めには加藤清正の屋敷があり、後に彦根藩井伊氏の上屋敷となり大老井伊直弼が居住した場所です。
井伊直弼はここから内堀(桜田濠)沿いの道を桜田門に向かう途中の路上で桜田門外の変に遭いました。
南庭は大名屋敷や有栖川宮邸を経て霞が関離宮となり戦災で焼失後は現在の回遊式庭園となっています。
明治維新後に国有地となり参謀本部・陸軍省が置かれました。そして陸軍省が廃止された戦後に衆議院の所管に移され、周囲の土地区画整理や道路拡張の後に洋式の庭園に整備されました。
国会前庭の全体図(鳥瞰図)
3D衛星画像(クリックで拡大)
国会前庭の江戸時代地図

彦根藩上屋敷。井伊直弼はこの高台から降りて桜田門で討たれました。
国会前庭の地形

濠に面した高台。超一等地。
国会前庭の見どころ

霞ヶ関坂の北側に広がる「北庭」は、幾何学的に整備された西洋風の庭園です。

春には桜、初夏には新緑など、四季の移ろいを感じながらのんびりとベンチでくつろぐことができる癒しの空間です。

北庭のシンボルとも言えるのが、高くそびえ立つ「尾崎記念時計塔」です。
「憲政の神様」と呼ばれた尾崎行雄氏を記念して建てられたものです。

塔が三面星型(3つの面)になっているのは、国の基本である「三権分立(立法・行政・司法)」を象徴しているためです。

つつじの季節。国会前庭は都心有数の自然の宝庫でもあります。

春にはソメイヨシノやサトザクラが咲き誇るお花見スポットとして、秋には美しい紅葉やイチョウ並木が色づく名所として知られています。

きれいなつつじ達





北庭の敷地内にある、ローマ神殿のような小さなドーリア式の建築物。実はこれ、日本の土地の標高を決める基準となる「日本水準点原点」を保護するための建屋(標庫)です。

軍事的な理由から全国の測量を進めた参謀本部陸地測量部(国土地理院の前身)がこの地に置かれていた名残

明治24年に建てられた歴史的建造物であり、東京都の有形文化財にも指定されている貴重な見どころの一つです。


国会議事堂の前の通りを横切って南庭へ。

南庭は和風庭園。

緑の向こう側にある国会議事堂が美しく際立っている。あまり見たことない光景。

南庭の中心に位置する美しい池。高低差を活かした「回遊式庭園」となっており、歩くたびに景色が変化するように設計されています。


池の周囲には緑が深く茂り、水面に映る木々と都心のビル群が重なり合う光景は、東京・永田町ならではの対比的な美しさを見せてくれます。

南庭は植物の種類が豊富で、初夏には色鮮やかなツツジ、秋には燃えるような紅葉が池の周りを彩ります。

庭園内には、まるで山奥のような風情を感じさせる渓流や小さな滝が配されています。

地よい水の音が周囲の交通騒音をかき消し、都会の真ん中にいることを忘れさせてくれる静寂の空間を作り出しています。

花筏

アメリカから寄贈されたハナミズキ
国会前庭の周辺情報
すぐそばの国会議事堂周辺も散策してみましょう。
国会議事堂の記事もぜひご参照ください。
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国会前庭へのアクセス
国会議事堂のすぐ目の前にあり、複数の地下鉄駅が利用可能です。入園は無料で、誰でも気軽に立ち寄ることができます。
所在地:東京都千代田区永田町1-1(北庭) / 永田町1-7(南庭)
入園料:無料
開園時間:9:00〜17:00(※季節によって変動する場合があります)
休園日:年末年始など(※臨時休園の場合あり)
【電車でのアクセス】
東京メトロ丸ノ内線・千代田線「国会議事堂前駅」から:1番出口・2番出口より徒歩約2分(※最も近い最寄り駅です)
東京メトロ有楽町線・半蔵門線・南北線「永田町駅」から:2番出口より徒歩約5分
東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王駅」から:8番出口より徒歩約8分
【駐車場について】
国会前庭には専用の一般駐車場はありません。 永田町周辺は交通規制が多く、コインパーキングも非常に限られているため、電車・地下鉄などの公共交通機関を利用してのアクセスを強くおすすめします。

