北の丸公園

【北の丸公園の桜】

今回は、皇居の北側に位置する「北の丸公園」を一緒に歩いてみましょう。日本武道館や科学技術館があり、春には桜の名所として多くの人で賑わう憩いの場ですが、少し視点を変えて足元や石垣に目を向けてみてください。そこには「江戸城の北の要衝」としての荒々しい地形と、徳川将軍家を支えた一族の記憶が色濃く残っています。

ただの緑豊かな公園として通り過ぎてしまうのはもったいない。江戸時代から続く壮大な歴史のレイヤーを一枚ずつ剥がすように、この場所の成り立ちを紐解いていきましょう。


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目次

  • 北の丸公園の概要と歴史
  • 北の丸公園の全体図(鳥瞰図)
  • 北の丸公園の江戸時代地図
  • 北の丸公園の地形
  • 北の丸公園の見どころ
  • 北の丸公園の周辺情報
  • 北の丸公園へのアクセス
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北の丸公園の概要と歴史

現在の北の丸公園は、その名の通りかつて江戸城の「北の丸」であった場所です。江戸時代初期には、関東代官として江戸の町づくりに貢献した内藤清成や、天海僧正の屋敷がありました。その後、徳川八代将軍・吉宗の時代になると、将軍家の血統を絶やさないためのバックアップとして創設された「御三卿」のうち、田安家と清水家という二つの家の屋敷がここに設けられます。

明治維新を迎えると、この地は近衛師団の兵営地として使用されることになり、現在も敷地内にある「東京国立近代美術館工芸館(旧近衛師団司令部庁舎)」などにその名残を見ることができます。戦後、昭和森林計画の一環として整備が進められ、1969年(昭和44年)に昭和天皇の還暦を記念して一般公開されました。

現在では、国の重要文化財に指定されている「田安門」や「清水門」が残り、近代的な文化施設と江戸の遺構が静かに共存する、非常に特異で魅力的な空間となっています。

北の丸公園の全体図(鳥瞰図)

3D衛星画像(クリックで拡大)

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バーチャル空撮

北の丸公園の江戸時代地図

御三卿のうちふたつ。清水家と田谷家の屋敷。

北の丸公園の地形

武蔵野台地の東端

北の丸公園の見どころ

北の丸公園を歩く上で見逃せないのが、武蔵野台地の東端という「地形」を活かした鉄壁の防御システムです。

九段下駅から地上に出ると、まず目に飛び込んでくるのが「牛ヶ淵」と「千鳥ヶ淵」という深い堀。ここはかつて、川が台地を浸食してできた自然の谷スリバチ(谷戸)を利用し、さらに人工的に手を加えて造られたものです。この険しい斜面と深い堀の合間を縫うように、現存する「田安門」や「清水門」が建てられています。

牛ヶ淵の詳しい解説はこちらから👇

https://pano.beau-paysage.com/edo2600_h/

千鳥ヶ淵の詳しい解説はこちらから👇

https://pano.beau-paysage.com/edo2500_h/

とくに清水門にある「雁木坂(がんぎざか)」と呼ばれる不揃いな石段を登ってみてください。一段ごとの高さが異なる歩きにくさの中に、敵の侵入を少しでも遅らせようとした当時の軍事的な工夫と、江戸城の堅牢さを足裏から体感できるはずです。春になれば、かつては人を寄せ付けなかった牛ヶ淵の険しい斜面に、ソメイヨシノやヤマザクラがこぼれんばかりに咲き誇ります。軍事要塞の痕跡と圧倒的な自然美のコントラストこそが、北の丸公園の最大の情景と言えるでしょう。

清水門の詳しい解説はこちらから👇

https://pano.beau-paysage.com/edo2600/

王道の田安門から入って行きましょう。

田安門。重要文化財の旧江戸城の門。

桜と田安門

寛永13年に建てられた江戸城の遺構。枡形門の重厚な構えからは、北の守りを固めた武将たちの緊張感が今も漂ってきます。

田安門の向こうの広がる桜

日本武道館。擬宝珠を戴く八角形の屋根と満開の桜。江戸の武家屋敷跡に昭和のモダニズムが融合した、この地ならではの景観です。

日本武道館

日本武道館

春の様子

春の様子

春の様子

春の様子

春の様子

春の様子

春の様子

牛ヶ淵に垂れる桜。急峻な土手から水面へと手を伸ばすように咲く桜。武蔵野台地を削り出したダイナミックな地形を花びらが優しく包み込みます。

牛ヶ淵に垂れるさくら

靖国神社方面。田安門前から靖国神社の大鳥居を望む。台地の尾根をゆくこの道は、江戸と現代を真っ直ぐに繋ぐ歴史の架け橋です。

九段会館。立派になっている。

牛ヶ淵の斜面にさく桜

牛ヶ淵の斜面にさく桜

牛ヶ淵の斜面にさく桜

見え隠れする江戸城の野面積み石垣。木々の合間から覗く堅牢な守備の跡に台地の起伏を実感します。

 

水鏡に映る深い緑と人々の憩い。谷戸の地形を生かした池が、都会の喧騒を忘れさせる静寂を生みます。

水面に浮かぶ水草と豊かな木々の重なり。

芝生広場を見守る大樹の堂々たる姿。

静かな空間。

梅雨の訪れを告げる淡い紫陽花。歴史ある土塁の陰でひっそりと咲く姿が、街歩きの目を楽しませます。

何百年もの間、この地の水脈が育んできた生命の息吹です。

かつての武家屋敷跡は今、人々の穏やかな時間が流れています。

透かし彫りのような外観を持つ科学技術館。江戸城の森に浮かび上がる昭和モダンな幾何学模様です。
木立の奥に佇む北白川宮能久親王銅像。緑深い池のほとりで、近衛師団長としての威厳を漂わせています。

 

北白川宮能久親王銅像

 

北白川宮能久親王銅像

 

北白川宮能久親王銅像

 

寛永寺の山主・輪王寺宮能久親王の上野戦争から始まる官軍からの逃避行と皇族でありながら朝敵となった苦慮が描かれています。彰義隊との関係、上野からの逃避行がどれだけ大変だったか、今の三河島・尾久あたりがどれほど湿地帯であったか、奥羽列藩同盟がどれほどもろかったかなど。上野戦争から戊辰戦争までリアリティをもって感じる事ができる1冊です。

北白川宮能久親王が奮闘した上野戦争。上野の寛永寺の記事もぜひ。

https://pano.beau-paysage.com/tyo9100/

東京国立近代美術館分室。旧近衛師団司令部庁舎の威容。明治期の赤レンガ建築が、かつての帝都の記憶を今に伝えています。
工芸館としての役目を終えた静かな佇まい。時代の変遷を見守り続ける重厚な壁面が印象的です。
橋を渡り洋館へ向かうアプローチ。軍事拠点から芸術の森へと生まれ変わった歴史の転換点を感じます。
東京国立近代美術館分室
東京国立近代美術館分室
東京国立近代美術館分室東京国立近代美術館分室 

地形と歴史をじっくり味わうなら、九段下駅からスタートするのがおすすめです。地上に出て、牛ヶ淵の深い谷と石垣を見下ろしながら田安門へと向かうアプローチは、まるで江戸時代にタイムスリップしていくかのような高揚感を与えてくれます。 また、竹橋駅側から紀伊国坂を上り、ひっそりと佇む清水門から入城するルートは、より通好みの静かな散策が楽しめます。その日の気分に合わせて、江戸城への「登城ルート」を選んでみてください。

 

北の丸公園の周辺情報

春は一緒に千鳥ヶ淵も!

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北の丸公園へのアクセス

北の丸公園へのアクセスは、地下鉄「九段下駅」または「竹橋駅」からの徒歩がおすすめです。九段下駅から向かう場合は、緩やかな坂を上りながら武蔵野台地の高低差を足裏で感じ取ることができます。日本武道館の擬宝珠(ぎぼし)を横目に田安門を抜けると、空気がふっと変わる瞬間を味わえるはずです。竹橋駅からは、清水門の荒々しい石垣を眺めながら、江戸の防衛の要を体感するルートも歴史好きにはたまりません。どちらから歩いても、東京の骨格を実感できる素晴らしいアプローチです。

<所在地>

東京都千代田区北の丸公園1-1

<交 通>

都営新宿線 東京メトロ半蔵門線「九段下駅」徒歩5分

東京メトロ東西線「竹橋駅」徒歩5分

<入園料> なし

<駐車場> あり(有料)

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